提案手法が劣っていた例

• 入力データを表5.8に示す．

  
  

  表: 入力データ

  名詞句	名詞の種類	状況	判断条件
  お気に入りの上着	衣服	一般	対人関係

  
  

• 提案手法での評価極性算出結果を表5.9に示す．
  

  表: 評価極性算出結果(提案手法)

  入力				出力
  名詞句	名詞の種類	状況	判断条件	SO-score	正解極性
  お気に入りの上着	衣服	一般	対人関係	-0.21(不評)	好評

  
  

• 従来手法(極性表現対に``良い''，``悪い''を使用)での評価極性算出結果を表5.10に示す．
  

  表: 評価極性算出結果(従来手法)

  入力				出力
  名詞句	名詞の種類	状況	判断条件	SO-score	正解極性
  お気に入りの上着	衣服	一般	対人関係	1.78(好評)	好評

  
  

• 従来手法では一般的にお気に入りの上着が好評と出力され，提案手法では不評と出力された．正解極性は好評であるため，提案手法の方が劣っていた．調べてみると極性表現として評価極性の算出に使われた表現は，好評表現集合$P$が「高い，丈夫，人気，新しい，ブランド」であり，不評表現集合$N$が「安い，ぼろい，イマイチ，古い，安物」であった．これらの表現の内，出現回数で言えば$P$の単語の方が多くなっていたが，出現確率の分母は$N$の方が小さかったため，総合的に$N$の方に偏るという結果となっていた．結果を改善させるためには，$N$の表現をコーパス内で出現し易い単語に変更するか，「お気に入り」や「上着」で好評となる表現を$P$に追加する必要がある．